
EAの概要
| ロジック概要 | トレンドフォロー |
|---|---|
| マーチンゲール | あり |
| グリッド | なし |
| スキャルピング | あり |
| 通貨ペア | XAUUSD |
| タイムフレーム | 5M / 1H |
| 開発者 | Hicham Chergui |
フォワードテスト(実運用)の分析:2026年1月10日時点で見えたこと
※本セクションは、記事作成日(2026年1月10日)時点で確認できた範囲のフォワード状況をもとにしたレビューです。将来の成績を保証するものではなく、運用環境(ブローカー、スプレッド、約定品質、設定、停止・再開の有無)によって結果は大きく変わります。
フォワードは「Myfxbook / MQL5シグナル」では公開されていない
Nova Gold Xは、一般的なMyfxbookリンクやMQL5シグナルのように、誰でも同じURLから追跡できる形ではフォワードが公開されていません。確認には、MT5の「インベスターパスワード(閲覧用ログイン)」が必要になります。
私自身も実際に、MT5に投資家ログインして成績と取引履歴を確認しました(=少なくとも画面上の損益・履歴を直接チェックできる状態)。
2025年12月開始のM5稼働アカウントは「一応プラス」だが、前提を置いて読む必要がある
確認できたM5稼働アカウントは2025年12月から開始しており、現時点では利益が出ています。まずは全体像(損益、PF、DD、推移)を把握するため、サマリー画面とグロース(推移)を確認しました。

ただし、フォワードは「短期で良い=安全」とは限りません。特にゴールドEA(XAUUSD)は、相場の急変やスプレッド拡大で成績が一気に反転しやすいため、次の“中身”の検証が重要です。
取引履歴を確認すると「損失の後にロットが3倍」になっている
取引履歴(エントリーのロット推移)を追うと、0.01ロットで取引していた流れの中で、損失が続いた直後に0.03ロット(3倍)でエントリーしている箇所が確認できました。

この挙動は、名称がどうであれ実質的に「負けを取り返すためのロット増(リカバリー)」であり、マーチンゲール的な成績依存が強まる典型パターンです。短期的に損失を回収して“見た目の勝率・右肩上がり”を作りやすい反面、相場が逆行し続けたときにドローダウンが加速しやすく、危険なEAのサインになり得ます。
高頻度EAなのに「下落局面を避けている」ように見える点は要注意
Nova Gold Xは取引頻度が非常に高いタイプに見えますが、チャート上の推移と注文マーカーを見る限り、下落が強い局面で取引が薄く、結果としてドローダウンを抑えているようにも見えます。

ただし、ここは判断が難しいポイントです。
- EAのロジックとしてリスク回避(フィルター)している可能性
- 一方で、裁量でEAを停止して“危ない局面だけ”避けている可能性
現時点ではどちらとも断定できません。しかし少なくとも、バックテストでは「長期の下落局面を避ける挙動」が明確ではなかったため、フォワードだけで“回避能力があるEA”と評価するのは早計です。もし手動停止が介在している場合、同じ条件で再現できない(再現性が低い)という意味で、透明性の不安が残ります。
この時点の結論:短期プラスでも「ロット増=マーチン依存」の疑いが強く、リスク評価は厳しめ
2026年1月10日時点のフォワードはプラスですが、取引履歴上でロットが段階的に増える挙動(損失後の3倍エントリー)が確認できる以上、成績がマーチンゲール(またはそれに近い回復ロジック)に依存している可能性が高いと判断しました。
このタイプは、相場が一定の範囲で往復している間は強く見える一方、トレンドが一方向に伸びたときに破綻リスクが跳ね上がります。次のセクション(バックテスト分析)では、長期で同様の“回復ロジック”が致命傷になり得るかを検証していきます。
バックテスト結果の分析:私が検証して分かったこと(2026年1月10日時点)
※本セクションは、記事作成日(2026年1月10日)時点で、私自身がMT5ストラテジーテスターで検証したバックテスト結果をもとに整理したものです。バックテストは将来の成績を保証せず、ブローカー条件(スプレッド/約定/手数料)、ヒストリーデータ、設定、運用停止の有無によって結果は大きく変わります。
検証条件(私が行ったバックテストの前提)
- 対象:XAUUSD
- 時間足:M5
- 期間:2005年から(長期)
- 設定:基本はデフォルト設定
- スプレッド:20ポイント(固定)
- ヒストリー品質:98%(テスター表示)
結論:デフォルト設定の長期テストは「とんでもなく悪い」結果になった
まず、XAUUSD・M5・デフォルト設定で2005年から長期バックテストを行ったところ、残高曲線(Balance/Equity)が一貫して右肩下がりになり、収益性が確認できませんでした。短期の切り取りで良く見える局面があっても、長期では損失が積み上がるタイプの挙動です。


レポート上でも、総損益がマイナスで、プロフィットファクターが1を下回っていました。つまり「期待値が負の可能性が高い」ことを示します。
ドローダウン評価は「%」ではなく「ロットとエクイティDDの絶対値」で見る
バックテストの評価でよく使われる「残高対比のドローダウン(%)」は、ロットサイズや初期残高の置き方で数字が大きくブレます。特にロットを少し変えるだけで%DDは簡単に上下するため、EAの危険度評価としては不安定です。
そこで本記事では、評価軸を次のように固定します。
- どのロット運用(固定/複利)を前提にしているか
- Equity Drawdown(エクイティドローダウン)の絶対値(通貨額)
今回のデフォルト設定テストでも、エクイティドローダウンの絶対値が大きく、長期で資金が削られていく挙動が確認できました。少なくとも「放置で右肩上がり」を期待できるタイプではありません。
マーチンゲール(回復ロット増)をONにすると、最初は良く見えるが、最後に致命傷を負う
次に、パラメータ上の回復機能(損失後にロットを増やす仕組み)をONにして再テストしました。設定画面上では、一定回数の損失後にリカバリーを開始し、ロット倍率(例:2.0)でロットを増やす構成になっていました。

この条件だと、序盤〜中盤は成績が安定しているように見えることがあります。損失が出てもロット増で取り返しやすく、見た目の勝率や損益曲線が“それっぽく”整うためです。
しかし、後半で相場が合わない局面に入ると、ロット増が逆回転し、エクイティが一気に崩れます。実際に今回のテストでも、後半で非常に大きなエクイティドローダウン(絶対値)が発生し、グラフ上でも「資金が崩れる瞬間」がはっきり出ました。

レポート数値でも、総損益が大幅なマイナスとなり、最大損失トレードも大きく、回復機能が“保険”ではなく“爆発装置”になり得ることが分かります。

なぜ危険か:マーチンゲールは「小さく勝って、最後に大きく負ける」構造になりやすい
マーチンゲール系(あるいはそれに近い回復ロット増)は、損失が続くほどポジションサイズが膨らみます。その結果、短い期間では「勝っているように見える」一方で、いずれ来る大きな逆行局面で、それまでの利益を一撃で吹き飛ばす挙動になりやすいのが本質的なリスクです。
今回の検証でも、まさにそのパターンが再現されました。したがって、バックテストの観点では、Nova Gold Xは少なくとも「回復ロット増に依存しやすい設計」である可能性が高く、リスク評価は厳しめに見るべきだと判断します。
このセクションのまとめ(バックテストから言えること)
- デフォルト設定・XAUUSD・M5・2005年〜の長期バックテストは、成績が非常に悪い。
- 評価は%DDではなく、ロット前提とエクイティDDの絶対値で見るのが妥当。
- 回復機能(実質マーチン)をONにすると、序盤は良く見えても、後半で致命的なドローダウンが起き得る。
- 「短期フォワードが良い」だけでは安心できず、長期での破綻リスクを強く警戒すべきタイプ。
トレーディングロジックとリスク特性
※本セクションは、開発者が公式に説明している内容(“そう主張している”という事実)と、私がフォワード/バックテストで観測した挙動を合わせて整理したものです。ロジックの内部コードは公開されていないため、断定ではなく「確認できた範囲の評価」として読んでください。
開発者の説明(公式の主張):価格行動ベース+高頻度スキャル
開発者の説明では、Nova Gold Xはインジケーターの遅行性に頼らず、価格行動(プライスアクション)を読み取る“AI”ベースのロジックだとされています。対象は主にXAUUSD(ゴールド)で、短期足(M5)を推奨し、取引頻度は非常に高いタイプ(スキャル寄り)という位置づけです。
開発者の説明(公式の主張):グリッドなし/ただし回復(リカバリー)機能あり
公式説明では「グリッドではない」「各トレードにストップロスがある」といった安全性を示す文言が見られます。一方で、損失後にロットを増やして回復を狙う“Recovery(回復)”機能が用意されていることも明記されています。
名称が「Recovery」であっても、実態として損失後にロットを増やす構造は、一般的にマーチンゲール(またはマーチン的)と呼ばれるものです。
実際に確認できた挙動:グリッドはないが「マーチン前提」の成績構造
私が取引履歴を確認した限りでは、連続損失の後にロットが増える(例:0.01 → 0.03)場面が確認できました。これは“負けを取り返すためのロット増”であり、勝ち方がマーチンゲールに依存している可能性が高い挙動です。
つまり、ポジションを横に積むグリッドは見えないが、損失時にロットを増やして回収する=マーチンありきの戦略と評価するのが自然です。
なぜ危険か:小さく勝って、最後に大きく負けやすい
マーチンゲール(回復ロット増)の本質的な怖さは、次の構造にあります。
- 平常時は勝ちが積み上がりやすく、成績が綺麗に見える
- しかし逆行が続く局面ではロットが膨らみ、損失が加速度的に増える
- 結果として、過去の利益を一撃で吹き飛ばす(または口座が致命傷を負う)
バックテストでも、回復機能を有効にすると序盤は安定して見える一方で、後半に非常に大きなドローダウンが発生するリスクが確認できました。これは「マーチンはいつか破綻する」という典型的なパターンに一致します。
高頻度型ゆえの追加リスク:スプレッド・約定・停止運用の影響
取引回数が多いEAは、それだけコスト(スプレッド/手数料/スリッページ)の影響を強く受けます。さらに、危ない局面でEAを停止すると成績が改善して見えることがあり、外部要因(手動停止)の混入があると再現性が落ちます。
今回、フォワードの取引分布が下落局面を避けているように見える点についても、ロジックで回避しているのか、手動停止の影響なのかは断定できません。少なくとも「誰が運用しても同じ結果になる」とは言い切れない不透明さがあります。
結論:グリッドはなくても、マーチンありきなら“非常に危険なEA”
Nova Gold Xは、グリッドのように含み損ポジションを横に並べて耐えるタイプには見えません。しかし、損失後のロット増(回復)によって成績を作る構造が確認できる以上、実質的にはマーチンゲール前提の戦略であり、リスクは非常に高いと判断します。
短期フォワードが良く見えても、それは「たまたま破綻局面に遭遇していない」だけの可能性があります。購入検討者は、回復機能(ロット増)をどの条件で使うのか、最悪ケース(連敗・急変・スプレッド拡大)で資金がどこまで耐えられるのかを、必ず現実的に想定すべきです。
グリッドは見えませんが、損失後にロットを増やす回復(実質マーチン)挙動が確認できました。短期で良く見えても、相場急変で一気に崩れる可能性が高く「危険度は高い」と評価します。