MyFxRadar EAレビュー|マーチンゲール+グリッドの超ハイリスク自動売買を徹底検証

EAの概要

ロジック概要 トレンドフォロー
マーチンゲール あり
グリッド あり
スキャルピング なし
開発者 FOREX STORE

各項目の評価とコメント

リスク構造・破綻耐性 スコア 1 / 35

実際の挙動は、0.07→0.21→0.45ロットと損失のたびにロットを跳ね上げるマーチンゲール+グリッド型です。一方向のトレンドに捕まると含み損を抱えたままナンピンし続けるため、口座を一撃で吹き飛ばすリスクが非常に高いEAです。

フォワード信頼性 スコア 5 / 25

AUDUSDリアル口座で+200%超・最大DD約27%という成績は現時点では優秀に見えます。ただし取引回数はまだ100件未満で、マーチン戦略特有の「破綻するまで好調に見える」性質を考えると、長期の信頼性を評価するにはデータ不足です。

収益性・期待値 スコア 2 / 20

損失後にロットを3倍→さらに倍にするため、短期的な利益回復力とリターンの伸びは大きい設計です。その一方で、負けが続いたときの損失は口座残高の大部分に達し得ます。「大きく増えるが、大きく飛ぶ」典型的なハイリスク・ハイリターンEAです。

再現性 スコア 2 / 10

ロット増加幅と口座残高のバランスに強く依存し、小さな資金でベンダーと同じロット設定を真似すると破綻確率が急上昇します。さらにブローカーのスプレッドや約定品質、DLLの動作環境によって結果が変わりやすく、公開成績を他社口座でそのまま再現するのは難しいEAです。

検証プロセス スコア 2 / 10

フォワード取引履歴と開発者の説明を照合した結果、実態はトレンドフォローというよりマーチン+グリッド・ナンピンの高リスク構造であることが確認できました。ベンダーが多数の口座を運用し、生き残ったアカウントだけを提示している可能性も否定できません。公開情報をうのみにせず、自分の環境で長期バックテストとデモ検証を行うことが前提となるEAです。

この記事を書いた人

Tetsushi O-nishi

FX市場のシステムトレーダー/MQL5プログラマー/EA(自動売買システム)開発者
2021年からEAの開発を開始。数々の戦略を構築→バックテスト検証し、堅守性(ロバストネス)を重視した開発を行う。
自作EAを10個以上リアルアカウントで運用中。

免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、投資勧誘や助言を目的としたものではありません。FX取引にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断で慎重に行ってください。

フォワードテストの分析(2025年12月25日時点)

FX Proctor EA  EURUSD フォワードテスト損益グラフ・収益率・ドローダウンのウィジェット(Myfxbook)

Myfxbookフォワード成績の概要

2025年12月25日時点で公開されている「MyFxRadar_AUDUSD」のMyfxbookフォワードテストでは、初期入金1,000ドルに対して残高はおよそ4,200ドルまで増加し、総合Gainは約+215%、最大ドローダウンは約27%という結果になっています。月次リターンは平均+8〜9%前後で推移しており、数字だけを見ると「そこそこ安定して増えている優秀なEA」に見えるでしょう。

MyFxRadar AUDUSDのMyfxbookフォワード成績とエクイティカーブ(2025年12月25日時点)
MyFxRadar AUDUSDのMyfxbookフォワードテスト結果。初期入金1,000ドルから約+215%まで成長しているが、マーチン系特有のリスクには要注意。

エクイティカーブから見える挙動

エクイティカーブを確認すると、テスト序盤で一度大きめのドローダウンが発生したあと、その後は比較的なだらかな右肩上がりで推移していることが分かります。これは典型的なグリッド/マーチン系EAに多いパターンで、序盤に口座が生き残れたかどうかによって印象が大きく変わるタイプです。

現在は残高が増えているため、同じロット設定でも破綻までのバッファが広がっている状態になっています。つまり、このエクイティカーブは「既にある程度育った口座」での結果であり、同じ条件を小さな残高で再現した場合に同様のカーブになるとは限りません。

トレード履歴から分かるロット増加パターン

Myfxbookの取引履歴を詳細に見ると、損失が発生したあとにロットサイズを段階的に増やしていることが確認できます。例えば、同じ方向の連続エントリーで

  • 1回目:0.07ロット
  • 2回目:0.21ロット
  • 3回目:0.45ロット

というように、損失の後にロットを約3倍→さらに2倍近くまで引き上げる挙動が繰り返し見られます。これは典型的なマーチンゲール(損失後にロットを増やして取り返す)構造であり、ベンダー側が明示していないとしても、実質的には高リスクなマーチンEAと評価せざるを得ません。

また、これらのロット増加は単発の例外ではなく、履歴全体を通して同様のパターンが多数確認できます。そのため、「たまたま数回だけロットを上げた」のではなく、戦略そのものがロット増加前提で設計されている可能性が高いと考えられます。

MyFxRadar AUDUSDのトレード履歴。0.07ロットから0.21ロット、0.45ロットへロットを増やすマーチンゲールパターン
MyFxRadar AUDUSDの取引履歴。損失後に0.07→0.21→0.45ロットとロットを増やしていることから、実質的なマーチンゲール戦略であることが分かる。

マーチン戦略と口座残高の関係

マーチンゲール戦略が破綻するかどうかは、口座残高とロットサイズのバランスに大きく依存します。現在のベンダー口座は、すでに残高が増加しているため、同じロットパターンでも「ゼロになるまでに耐えられる価格変動幅」は当初より広くなっています。その結果、今この瞬間だけを見ると、破綻確率が下がっているように見える点には注意が必要です。

一方で、小さな残高で同じロットパターンを真似すると、口座残高が一気にゼロになるリスクが非常に高いと言えます。特に0.07→0.21→0.45ロットのような急激なロット増加は、数回の連敗で許容損失を簡単に超えてしまう可能性があります。少額口座での運用や、資金管理を十分に理解していないユーザーには、極めて危険な設計です。

「生き残り口座」だけが提示されている可能性

グリッド/マーチン系EAでは、複数のブローカーや通貨ペア、パラメータで大量にフォワードテストを走らせ、その中でたまたま破綻せずに残った口座だけを公開するケースがよくあります。MyFxRadar EAについても、同じ系統の戦略を多数走らせたうちの「生き残りアカウント」だけがMyfxbookに提示されている可能性は否定できません。

現在のフォワード成績だけを見れば魅力的に映りますが、戦略の中身とロット増加パターンを踏まえると、「いつ破綻してもおかしくない高リスクなマーチンEA」であることを理解したうえで評価すべきでしょう。本記事のフォワードテスト評価は、あくまで2025年12月25日時点の状況に基づくものであり、今後の相場環境やロット設定次第で成績が大きく悪化する可能性がある点には十分注意が必要です。

トレーディングロジックとリスク特性

開発者が説明する基本コンセプト

開発者の説明によると、MyFxRadar EAは「レーダー」でトレンド初動を検知し、ADXなどのフィルターでノイズを減らしたうえでトレンド方向にエントリーするトレンドフォロー型EAとされています。利益が乗ったポジションにはトレーリングストップを適用し、できるだけ大きな値幅を狙う設計とされています。

また、ロット管理についてはAutoRisk機能とRiskLimitによって自動ロット調整を行い、Drawdown Controlで含み損の制御をする、といった説明がなされています。これらはあくまで「開発者が主張しているロジック」であり、実際の挙動はフォワードの取引履歴から検証する必要があります。

実際のフォワード取引から見えるエントリーとロット増加

公開フォワードの取引履歴をチャート上にプロットすると、白い矢印が買いエントリー、赤い矢印が売りエントリーを示しています。いくつかのシーケンスを見ると、次のようなロット推移が確認できます。

  • 最初のトレード:0.07ロットでトレンド方向にエントリー
  • このトレードが損失で終わると、約3倍の0.21ロットで再エントリー
  • それでも損失になった場合、さらにその約2倍にあたる0.45ロットでポジションを取る

つまり、前回の損失を取り返すためにロットを段階的に跳ね上げていくマーチンゲール戦略が、フォワード履歴からもはっきりと確認できます。

MyFxRadar AUDUSDのトレード例。0.07ロットから0.21ロット、0.45ロットへロットを増やすマーチンゲールシーケンス
損失後に0.07→0.21→0.45ロットとロットを増やす典型的なマーチンゲールの挙動。

マーチンゲールとグリッド・ナンピンの組み合わせ

さらに、含み損を抱えた状態で追加ポジションを建てるグリッド・ナンピンの挙動も見られます。0.21ロットや0.45ロットのポジションを建てたあと、価格が逆行して含み損が膨らんでも、すぐに損切りするのではなく、同方向に最大2つまでポジションを積み増しながら反転を待ち続けるケースが多くあります。

開発者の説明では「トレンドに乗るEA」とされていますが、実際には

  • トレンド方向にエントリー
  • 損失なら3倍ロットでマーチンゲール
  • それでも損失ならさらに倍ロットで追撃
  • 含み損を抱えながら最大2ポジションのグリッドで反転待ち

という、マーチンゲールとグリッド・ナンピンを掛け合わせた非常に攻撃的な資金管理ロジックになっていると考えられます。

MyFxRadar AUDUSDのトレード例。損失ポジションを抱えたまま0.21ロットと0.45ロットのポジションをグリッド状に積み増し
0.21ロットの売りポジションをクローズした後に0.45ロットを追加し、さらに1回ナンピンして相場の反転を待って一気に損失を取り返そうとしている様子。

一撃で口座が吹き飛ぶリスク

このような設計では、短期的には損失を素早く取り返しやすく、フォワードのエクイティカーブも右肩上がりになりやすい一方で、大きなトレンドが発生したときに口座を一撃で吹き飛ばすリスクが極めて高くなります。

ロットが0.07→0.21→0.45と増えていく過程で、数回の連続損失が起きれば、追加証拠金を入れる余裕がない小さな口座ほどあっという間に証拠金維持率が限界に達します。特に、現在公開されているベンダー口座はすでに残高が大きく増えているため、同じロットサイズでも破綻までの余裕が広い状態です。しかし、少額口座で同じ設定を真似すれば、一度の強いトレンド相場で口座残高がゼロになる可能性が非常に高いと言わざるを得ません。

MyFxRadar AUDUSDのトレード例。買いの0.21ロットと0.45ロットを建てた後に、小さなロットで売りポジションを取るシーケンス
初期ロットの約7倍の買いポジションでナンピンする様子。ポジションを抱えたまま相場が下落トレンドになれば少額口座では致命的な含み損になり得る。

総評:論理は単純だが極端にハイリスクな設計

以上を踏まえると、MyFxRadar EAの実態は「トレンドフォロー+トレーリングストップ」というよりも、マーチンゲールとグリッド・ナンピンを組み合わせたハイリスク戦略と表現する方が実情に近いと考えられます。短期的にはフォワード成績が良好に見えても、その裏側では常に「一度の大トレンドで口座が吹き飛ぶかもしれない」というリスクを抱えています。

本セクションの内容は、2025年12月25日時点の公開フォワード履歴と開発者の説明をもとにした分析であり、今後のロジック変更や設定変更によって挙動が変わる可能性がある点には注意してください。

総合評価・まとめ(2025年12月25日時点)

MyFxRadar EAの総合評価

  • 公開フォワード成績だけを見ると、AUDUSD口座は+200%超の利益と、見た目には非常に好調な結果が出ている。
  • しかし実際のトレード履歴を確認すると、0.07→0.21→0.45ロットと大きくロットを増やす典型的なマーチンゲール+グリッド・ナンピン戦略であり、口座を一撃で吹き飛ばすリスクが極めて高い。
  • 開発者は「トレンドフォローEA」と説明しているが、実態はマーチンゲールとナンピンを組み合わせた資金管理ロジックが中心であり、長期安定運用向きとは言いがたい。

どんなトレーダー向きか

  • 「口座がゼロになっても構わない余剰資金」で、一時的に高いリターンを狙いたいハイリスク志向のトレーダー向け。
  • 資産形成や長期運用、退職金・生活資金の運用にはまったく適さない。安定運用を求めるトレーダーには不向きなEAと判断できる。

運用する場合の注意点

  • 少額口座で公式と同じロットパターンを真似すると、数回の連敗や一方向の強いトレンドで簡単にロスカットに追い込まれる可能性が高い。
  • 資金を投入するなら、全資産のごく一部にとどめ、いつ口座が飛んでもいい前提で「宝くじ枠」として扱うのが現実的。
  • ベンダーが多数のグリッド/マーチンEAを並行稼働させ、その中で「たまたま生き残った口座」だけを公開している可能性も念頭に置くべき。

結論

MyFxRadar EAは、短期的には魅力的なフォワード成績を示している一方で、マーチンゲール+グリッド・ナンピンという極端なハイリスク設計を採用しているEAです。「高リスクを完全に理解したうえで、余剰資金の一部だけで遊び感覚で試すEA」であり、メイン資金の運用に使うことはおすすめできません。

Author of this article

Tetsushi O-nishi

FX市場のシステムトレーダー/MQL5プログラマー/EA(自動売買システム)開発者
2021年からEAの開発を開始。数々の戦略を構築→バックテスト検証し、堅守性(ロバストネス)を重視した開発を行う。自作EAを10個以上リアルアカウントで運用中。

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