はじめに:VPSが止まればEAは止まる(だから“監視”が必要)
VPSが止まれば、MT5もEAも止まります。
特に成行注文中心のEAは、VPSが落ちた瞬間に発注・決済が止まり、相場急変時に想定外の損失につながるリスクがあります。
この記事では、ノーコードで現実的に運用できる「VPS監視」の作り方をまとめます。
- UptimeRobotで「VPSが落ちていないか」をチェック(まずは無料でOK)
- さらに“VPSは生きているのにMT5やEAだけ止まる”ケースにも備える
- ポイントはEAのタイプ(非スキャル / スキャル、ストップロスあり/なし)で“監視の敏感さ”を変えること
結論:監視の強さは「スキャルか」「SLをサーバーに置くか」で決める
どの程度監視すべきかは、EAのタイプと注文設計で変わります。監視を複雑にしすぎると、運用が続かなかったり、コストだけ増えたりします。
関連記事:
» スキャルピングEAは勝てる?おすすめしない理由(再現性の低さに注意)
» EA注文タイプとリスク比較|成行・ストップ・SL/TPとVPS停止時の安全性
スキャルピング(秒〜数分)× ストップロスなし(または端末依存)
- MT5/EAが停止中に相場が急変すると、想定外リスクが大きい。
- 高感度監視を推奨:VPSの稼働だけでなく、MT5/EAが動いている“目印”も持つ。
- ノーコードで現実的にやるなら、UptimeRobot(短め間隔)+MT5の通知。
- さらに精度を上げるなら、定期通知を出せる既製のインジ/EAで「一定時間ごとに通知が来る状態」を作る。
スキャルピング(秒〜数分)× ストップロスあり(サーバー登録のSL/TP)
- スキャルはそもそも反応速度が重要なため、停止の影響が出やすい。
- ただしSL/TPをサーバーに置けている場合は、最悪の事故(無防備状態)を避けやすい。
- 監視は中〜高感度:Pingに加え、MT5の通知(取引通知/定期通知)を推奨。
非スキャル(数時間〜数日)× ストップロスなし(または端末依存)
- 取引頻度が低くても、SLが置けない設計は放置リスクが残る。
- 監視は中感度:Ping監視+「MT5が動いている目印」を用意すると安心。
- ノーコードなら、MT5の取引通知に加え、必要なら定期通知インジ/EAの導入を検討。
非スキャル(数時間〜数日)× ストップロスあり(サーバー登録のSL/TP)
- リスクは相対的に低め。 指値・逆指値(Stop)やストップロス(SL)は、ブローカー側サーバーに保持・執行されるケースが多い。
- ただしTrailing Stop(トレーリングストップ)は、発動・位置調整が端末側(MT5)依存になりやすい点に注意。
- 監視は過敏にしすぎない方が運用が安定しやすい。
- UptimeRobot:Ping(5分)+必要ならRDPポート監視で十分。
UptimeRobotとは:VPSの稼働を自動チェックできる監視サービス

UptimeRobotは、サーバーやWebサービスの稼働状況を自動チェックし、ダウン時に通知してくれる監視サービスです。無料プラン(5分間隔・最大50監視)があるため、まずは費用ゼロで運用を始められます。
EA/MT5のVPS運用と相性が良いのは、まずPing監視(Ping Monitor)と、必要に応じたポート監視(Port Monitor)です。通知先はメールのほか、Telegram / Slack / Discord / Webhookなどにも対応しています。
まずはメール通知でシンプルに始め、運用に慣れたら通知先を増やすのがおすすめです。
UptimeRobotでやること:ノーコードで最低限の監視を作る
1) Ping監視(必須):VPSが“生きているか”を確認する
- 監視対象:VPSのグローバルIP
- 監視間隔:5分(無料プラン標準)
- 通知:2~3回連続失敗で通知(誤報を減らす)
Ping監視を入れるだけで、VPSや回線のダウンはかなり高確度で検知できます。
2) ポート監視(任意):RDP接続の可否をチェックする
- 監視対象:RDP(Remote Desktop Protocol) 3389/TCP
- 目的:「外部から接続できない」状態を早めに見つける
- 注意:セキュリティ上、RDPを外部に開けていない運用なら無理に入れなくてOK
3) 通知の受け取り先:見落としにくい経路を選ぶ
- メール:まずはこれで十分(普段必ず見るアドレスを指定)
- Telegram/Slack:慣れたら追加して即時性を上げる
- メンテナンス時間:VPS事業者のメンテ中は通知しない設定(Maintenance Window)を活用
ここまでで「VPSが落ちた」は確実に拾えます。問題は、次の“VPSは動いているのにMT5やEAだけ止まる”ケースです。
なぜ「VPSは動いているのにMT5/EAが止まる」のか:よくある原因
- Windowsの更新/自動再起動後にMT5が起動していない
- 回線の一時不調でMT5が未接続になり、EAが売買しない
- ログイン情報・証明書の期限、取引サーバー変更などで未接続
- ディスク容量不足/ログ肥大でMT5が不安定
- シンボル名変更・仕様変更でEAが待機状態になる
- メモリ不足・クラッシュなどアプリ側の不具合
対策のカギは、「VPSの稼働(Ping)」と「MT5/EAの稼働(動いている目印)」を別レイヤーで見ることです。
関連記事:EAが止まる・重い原因と対策|VPS最適化とMT5軽量化の基本設定
「MT5/EAが動いている目印」をノーコードで作る方法
VPSが動いていても、MT5が落ちている/固まっている可能性はあります。ここでは、MT5/EAが動いているかを確認する“目印”を整理します。
A. MT5のプッシュ通知(Push Notification):まず入れるべき基本設定
- MT5のTools(ツール)→ Options(オプション)→ Notifications(通知)でプッシュ通知をON
- スマホアプリのMetaQuotes IDを入力し、テスト送信
- 取引通知(発注・約定など)をONにする
普段どおり約定通知が来ていれば、“とりあえず動いている”目安になります。逆に、いつも動くEAなのに長時間(例:丸1日)通知がゼロなら要確認です。
B. 既製の「定期通知インジ/EA」を使う:取引が少ないEAでも確認しやすくする
- MQL5マーケット等で「定期通知」「稼働監視」系を検索
- 出所の信頼性(レビュー、更新頻度、サポート状況)を確認
- 外部連携(Telegram等)を使う場合は、必要権限と設定内容を必ず確認
- 導入後は通知をメール/Telegramなどに集約し、見落としを減らす
コーディングなしでも、取引通知+定期通知を組み合わせれば、停止の見落としを大きく減らせます。
EAタイプ別:監視の“敏感さ”おすすめ設定(まとめ)
非スキャル × SLあり(サーバー登録のSL/TP)
- UptimeRobot:Ping(5分)+(必要に応じて)RDPポート
- 通知閾値:2~3回連続失敗で通知(過敏にしない)
- MT5側:(任意)取引通知ON(緩い目印)
- 注意:Trailing Stopは端末依存になりやすい
非スキャル × SLなし(または端末依存)
- UptimeRobot:Ping(5分)+必要ならRDPポート
- MT5側:取引通知ON+(必要に応じて)定期通知インジ/EA
- 通知閾値:2回前後の失敗で通知(中感度)
スキャル × SLあり(サーバー登録のSL/TP)
- UptimeRobot:Ping(可能なら短め間隔)+RDPポート
- MT5側:取引通知ON(停止を早めに気づく)
- 通知閾値:1~2回失敗で通知(中〜高感度)
スキャル × SLなし(または端末依存)
- UptimeRobot:Ping(短め間隔を検討)+RDPポート
- MT5側:取引通知ON+定期通知インジ/EA(停止の見落としを減らす)
- 通知閾値:1回失敗でも通知(高感度)
- 運用:再起動手順・夜間対応などの“対応フロー”を用意
アラートが鳴ったら:切り分け手順(最短で復旧する)
- PingもNG:VPS/回線障害の可能性 → VPS事業者のステータス確認/サポート連絡
- PingはOKだが、通知(取引・定期通知)が長時間ゼロ:RDPでVPSへ接続 → MT5の接続状態(右下の回線表示)、口座ログイン、証拠金、休場、銘柄仕様変更を確認
- ログ確認:MT5で View(表示)→ Terminal(ターミナル)→ Journal / Experts を見て、エラー・停止理由をチェック
- 復旧後:再発防止の1アクションだけ入れる(例:Windows更新の曜日固定、不要ログ削除、時刻同期の定期化)
まとめ:PingでVPS、通知でMT5/EAの停止を見落としにくくする
- UptimeRobotでVPSの稼働を監視し、MT5/EAが動いている目印は取引通知+(必要に応じて)定期通知で補う。
- 監視の敏感さは、スキャルかどうかとSLをサーバーに置けているかで決める。
- スキャル×SLなしは最も事故が起きやすいので、高感度+目印の多重化で早期検知を優先する。