
EAの概要
| ロジック概要 | 逆張り |
|---|---|
| マーチンゲール | なし |
| グリッド | なし |
| スキャルピング | なし |
| 通貨ペア | XAUUSD |
| 開発者 | Taner Altinsoy |
フォワードテスト(MQL5シグナル)の現状分析(2026/01/12時点)

公開フォワード(MQL5シグナル)について
Golden Hen EAは、MQL5上でシグナル(フォワード成績)が公開されています。シグナルは購読(コピー)形式で参照できるため、
少なくとも「実運用の履歴が第三者に見える」という点は確認しやすいタイプです。
ただし、シグナルは“現時点のスナップショット”であり、運用期間が短い場合は成績が良く見えても統計的に評価しにくい点に注意が必要です。
本セクションでは、あくまで本日(記事執筆時点)の表示内容をベースに整理します。
主要指標のまとめ(本日表示されている数値)
- 運用期間(Reliability):4 weeks
- 成長率(growth since 2025):約30%
- 初期入金:350.00 USD / 利益:104.27 USD / Equity:454.27 USD
- 総トレード数:13回(週あたり約6回)
- 勝率:69.2%(9勝4敗)
- プロフィットファクター:2.88
- 平均利益:17.76 USD / 平均損失:-13.90 USD
- 最大ドローダウン(残高ベース):5.52%(20.26 USD)
- 最大ドローダウン(エクイティベース):5.03%(21.95 USD)
- 最大連勝:3回 / 最大連敗:2回
- 平均保有時間:10 hours
- Algo trading:100%
良さそうに見える点(勝率・リスクリワード)
まず、勝率が約69%と高めで、プロフィットファクターも2.88と見栄えは良い数値です。
また平均利益(17.76)に対して平均損失(-13.90)なので、平均ベースのリスクリワードも極端に悪くありません。
ドローダウンも現時点では約5%台に収まっており、短期の数字としては“荒れすぎてはいない”印象です。
ただし、現時点では「まだ評価に値しない」理由
結論として、このフォワードは期間が短く、現段階で優劣を判断する材料としては不十分です。
- 運用期間が4週間と短く、相場環境(トレンド/レンジ/急変動)のパターンを十分に通過していない
- トレード回数が13回しかなく、勝率・PF・DDなどが偶然に左右されやすい
- ロング取引が100%(ショート0%)のため、相場の片方向(上昇局面)に偏った成績の可能性がある
- 最大ドローダウンは“短期では小さく見えやすい”ため、継続運用でどこまで拡大するか未確認
つまり、「数字が良く見える」こと自体は事実でも、それが再現性のある優位性なのかは、現時点では判断できません。
今後チェックしたいポイント(フォワード継続で見るべき項目)
- 最低でも数か月〜半年以上の継続データ(相場環境が変わっても成績が維持されるか)
- トレード回数の増加に伴う勝率・PFの収束(良い数値が保てるか、それとも平均化されるか)
- ドローダウンの“更新”が起きたときの耐性(連敗局面での損失拡大、ロット変化の挙動)
- ロング偏重が是正されるか(ショートも含めて機能するロジックなのか)
- 急変動・スプレッド拡大局面での挙動(約定や損失の出方)
以上を踏まえると、現時点のフォワードは「勝率が高く、リスクリワードも悪くないように見える」一方で、
“期間が短すぎるため評価の材料としてはまだ弱い”という位置づけになります。
バックテスト結果の分析(筆者検証:2005〜2026の長期テスト)
ここでは検証のため、私自身でGolden Hen EAをバックテストしました。結論から言うと、2023年以降は見栄えが良い一方で、それ以前(特に2023年まで)の期間は伸び悩みが目立ち、長期の再現性には強い懸念が残ります。
本セクションもあくまで記事執筆時点(本日)の検証結果として整理します。
バックテスト条件(今回の検証設定)
- 期間:2005年1月1日〜2026年1月10日(約20年分のデータ)
- 通貨ペア:XAUUSD
- 初期残高:10,000USD
- ロットサイズ:固定 0.01ロット
- その他設定:デフォルトのまま
- スプレッド:60ポイント


テスト結果の要点(数字の見え方)
MT5レポート上のドローダウンは%表示も出ますが、残高比%は初期残高やロット設定に強く依存してブレやすいため、
本記事ではロット(0.01固定)と、エクイティDDの絶対値(USD)で評価します。
主要数値(MT5レポートから)
- 総取引数:2,094
- プロフィットファクター:1.14
- 総純利益(Total Net Profit):+2,174 USD
- エクイティDD(Absolute):410 USD
- 最大エクイティDD(Maximal):1,288 USD
- 買いのみ(Long):2,094 / 売り(Short):0
期間別の偏り:2023年以降は良いが、それ以前が弱い
残高/エクイティ曲線を見ると、2023年以降にパフォーマンスが大きく改善し、右肩上がりが強まっている一方で、
それ以前の長い期間は、横ばい〜低迷、またはドローダウン局面が目立ちます。
このように「直近数年だけ強く、長期では伸びにくい」形は、相場レジーム(値動きの質)が変わったときに機能しない、
もしくは直近相場に合わせて過剰最適化(オーバーフィット)されている可能性を疑うべき典型パターンです。
ベンダー公開情報とのギャップ(長期の頑健性チェックが重要)
ベンダー側が提示するバックテストは、直近(例:2025年周辺)の良い期間に寄りがちで、
長期データを通したときの弱い期間が見えにくいことがあります。
今回のように約20年スパンで確認すると、成績が“直近に偏っている”可能性が高くなります。
総評:長期で通用しない可能性が高い(現時点の判断)
今回の条件(XAUUSD/0.01固定/スプレッド60/デフォルト)では、2023年以降は良い結果が出る一方で、長期では優位性が安定しているとは言い難い内容でした。
最大エクイティDDの絶対値は1,288 USDまで達しており、「短期フォワードの見栄え」だけで安全性を判断するのは危険です。
したがって本記事では、現時点の結論として「長期では通用しない(または直近相場に過剰適応している)リスクが高い」という前提で、
次章のトレーディングロジック/リスク特性に踏み込みます。
トレーディングロジックとリスク特性
ここでは、開発者が説明している設計思想(公式説明)と、MQL5シグナルのフォワード履歴(取引履歴チャート)から読み取れる挙動を整理します。
なお、取引履歴チャートはフォワードの履歴をプロットしたもので、白が買い(Buy)、赤が売り(Sell)です。


開発者が説明しているロジック概要(公式説明の整理)
- 対象はXAUUSD(ゴールド)
- 複数の戦略を組み合わせ、複数時間足の条件でエントリーを判断する設計
- グリッド/マーチンゲール/ナンピンなどの危険な手法は使わない(開発者説明)
- 各トレードは事前に設定されたSL/TPを持ち、きちんと損切りを行う(開発者説明)
- スキャルピング(数pipsを高速に抜くタイプ)ではなく、一定の値幅を狙う方針(保有時間が長めになりやすい)
フォワード取引履歴から見える特徴
- 買い(Buy)のみで取引している(売り履歴が見当たらない/赤が出ていない)
- エントリー間隔が詰まりすぎておらず、超短期の連打型には見えにくい(=スキャル寄りではない)
- ポジションを保有している時間がある程度長く、短期の抜き取りよりも「流れに乗せる」発想に近い
特に「買いのみ」という偏りは、相場環境によっては強みにも弱みにもなります。
上昇局面では追い風になりやすい一方、下落トレンドが続く局面ではチャンスが減る/成績が悪化しやすい構造になり得ます。
リスク面の評価:危険手法は避けているが、長期の有効性は不透明
本EAは、開発者説明としてはグリッドやマーチンゲールを採用せず、SL/TPで管理する方針が示されています。
この点は、典型的な「損失の先送り」で資金を溶かすタイプと比べれば、ベースとして悪くありません。
しかし、前章のバックテスト(約20年)では、直近(2023年以降)に成績が偏り、それ以前は伸び悩む期間が目立ちました。
このことから、長期に通用するかどうかは現時点では不透明で、相場レジームが変わったときに優位性が崩れる可能性を残します。
この記事時点での結論(ロジックとリスク特性)
- 危険な手法(グリッド/マーチン等)は使わない方針(開発者説明)
- スキャルピングではなく、ある程度の値幅を狙う運用になりやすい
- 買いのみで取引し、売りは行わない(少なくとも現時点の履歴上)
- 損切りは行う設計(開発者説明/SL/TP運用)
- ただしバックテストの結果から、長期の再現性はまだ判断が難しい
総合評価・まとめ
Golden Hen EAは、MQL5でシグナルが公開されており、現時点のフォワードだけを見ると勝率やプロフィットファクターは良好に見えます。
一方で、期間が短くトレード数も少ないため、現段階で「優位性がある」と断定できる材料にはなりません。
また、筆者の長期バックテストでは直近(2023年以降)に成績が偏っており、長期で通用するかどうかは不透明です。
良い点(現時点で確認できる範囲)
- MQL5でシグナルが公開されており、フォワード履歴を第三者が確認できる
- 短期フォワードは勝率が高めで、リスクリワードも極端に悪くない
- 開発者説明では、グリッド/マーチンゲールなど危険な手法は不使用
- スキャルピングではなく、SL/TPで管理し損切りも行う設計
注意点・懸念点(評価を下げる要素)
- フォワードが短期(数週間)で、トレード数も少なく統計的に評価しづらい
- フォワード履歴は買いのみで、相場環境によっては成績が偏りやすい可能性
- 長期バックテストでは2023年以降は良いが、それ以前(〜2023)は伸び悩みが目立つ
- ベンダー公開のバックテストも良い期間(例:2025年)に寄りがちで、長期の頑健性が見えにくい
- 直近相場に過剰最適化(オーバーフィット)されている恐れが強い
結論(この記事時点の判断)
- ベース設計(危険手法回避・損切りあり)は悪くない
- ただし、短期フォワードの見栄えだけで判断するのは危険
- 長期の再現性は不透明で、現状は「様子見」寄りの評価
今後、評価するために必要な条件
- フォワードを数か月〜半年以上継続し、相場環境が変わっても成績が維持されるか確認する
- トレード数が増えたときに、勝率・PF・DDが“落ち着く”か(偶然のブレが消えるか)を見る
- 買いのみ運用の弱点(下落局面)でどう振る舞うかを確認する
総合すると、Golden Hen EAは「短期は良く見えるが、長期で通用するかは現時点では判断が難しいEA」です。
購入や運用を検討する場合は、短期フォワードの数字を鵜呑みにせず、長期の頑健性を重視して慎重に判断することをおすすめします。
開発者説明ではグリッド/マーチンは不使用で、各トレードはSL/TPで管理し損切りも行う設計です。ただし筆者の約20年バックテストでは最大エクイティDDが1,288USDまで到達しており、長期の安定性はまだ不透明です。