
EAの概要
| ロジック概要 | 逆張り |
|---|---|
| マーチンゲール | あり |
| グリッド | あり |
| スキャルピング | なし |
| 開発者 | FOREX STORE |
フォワードテストの分析(2025年12月24日時点)
約2年のフォワードテストで+799%のリターン
FX Proctor EURUSD Path1 のMyfxbookフォワードテストは、2023年12月末から2025年12月時点まで
ほぼ2年分のリアル口座データが公開されています。初期残高1,000ドルに対して、
現時点の利益は約7,991ドル、トータルゲインは+799%という非常に高い数字です。
日次リターンは平均0.30%、月次リターンは9.58%と、数字だけを見るとかなり魅力的な成績と言えます。

収益曲線(Growth / Equity Growth)は、ところどころで大きめのドローダウンを挟みつつも、
右肩上がりで増加しているのが特徴です。最大ドローダウンは32.57%と、
グリッド系EAとしては「致命的に深い」とまでは言えないものの、
決して軽視できる水準ではありません。とはいえ、フォワード期間を通じて
資産が段階的に増え、残高が約9倍まで膨らんでいる点は、多くの投資家にとって
魅力的に映るでしょう。
トレード履歴から見える「グリッド&マーチンゲール」構造
一方で、Myfxbookのトレード履歴を詳しく眺めると、このEAのロジックが
典型的なグリッド&マーチンゲール型であることがわかります。

まず目につくのが、同一時刻に複数ポジションがまとめてクローズされている点です。
例えば、数本のポジションが同じ「Close date」で同時決済されており、
その中には大きなマイナスのポジションと、それを相殺する複数の小さなプラスのポジションが
混在しています。これは、価格が逆行するたびに段階的にポジションを追加し、
いったん価格が戻ったタイミングでグリッド全体を一括クローズする、
グリッド&マーチンゲールEAで典型的に見られるパターンです。
さらに重要なのは、Myfxbook上でロットサイズが非公開になっていることです。
ピップスと損益の動きから推測すると、後半のポジションほどロットが大きくなっている可能性が高く、
クラシックなマーチンゲールのように、負けるたびにロットを増やして
平均建値を下げにいく挙動が想定されます。ロット情報が隠されていることは、
このマーチン的な性質をあまり強調したくない、という意図の表れとも考えられます。
マージン推移が示す「一時的な窮屈さ」
MyfxbookのMarginグラフに目を向けると、
グラフが何度も鋭く下方向へスパイクしているのが確認できます。

MyfxbookにおけるMarginの推移は、保有中のポジションに対して
どれだけ資金的な余裕(証拠金の空き)が残っているかを示す指標です。
グラフの急激な下落は、短時間で有効証拠金の余力が大きく削られている、
すなわち含み損が一気に膨らんでいる局面を意味します。
この口座では、グリッドでポジションを積み上げたあと、相場が一方向に
伸び続けるタイミングでマージンが大きく圧迫され、その後の反転で
グリッド全体をクローズして元の水準まで回復する、という動きが繰り返されています。
これは、「普段は順調に増え続けるが、ときどき口座がかなり苦しい状態になる」タイプの
グリッドEA特有のリスクプロファイルと言えるでしょう。
残高が増えたベンダー口座と、一般ユーザーのギャップ
現在のベンダー口座は、すでに残高が約9,000ドルまで増えています。
グリッド&マーチンゲール戦略においては、破綻するかどうかが
「残高」と「ロットサイズ」のバランスに強く依存します。
同じロジックでも、十分な残高があればある程度の逆行には耐えられますが、
初期資金が小さい状態で同じリスク設定を真似すると、
一度の強いトレンドで口座が飛ぶ確率は一気に高まります。
また、ベンダー側は多くのグリッド・マーチン戦略を同時に走らせ、
たまたま生き残ったアカウントだけをMyfxbookで公開している可能性も
否定できません。大量のフォワードテストを行えば、
理論上は「大きく増えて、まだ破綻していない口座」がいくつか残るのは自然なことであり、
その中の一つがこのFX Proctor EURUSD Path1である、という見方もできます。
したがって、2025年12月24日時点でのフォワード結果は非常に優秀に見えるものの、
それは「グリッド&マーチンゲールが現時点まで運よく生き延びている姿」に過ぎない可能性があります。
今後も同じように増え続ける保証はなく、特に少額口座で同様のリスク設定を行う場合は、
口座残高がゼロになる最悪シナリオを常に意識しておく必要があります。
トレーディングロジックとリスク特性
ベンダー説明から読み解く基本コンセプト
開発者はFX Proctorを「日足ベースで相場全体の方向性を把握し、柔軟にポジションを調整する
スマートな自動売買システム」と説明しています。D1足でマーケットのトレンドを確認しつつ、
相場状況に応じて利確幅や損切り幅、ポジション間の距離を自動的に調整し、
ドローダウンをコントロールしながら利益を積み上げる――というのが公式のコンセプトです。
しかし、実際のフォワード履歴とチャート上のトレード配置を確認すると、
その実態はグリッド+マーチンゲール戦略が中心であり、
ロットの増加とポジションの積み上げによって利益を生み出す設計であることが分かります。
このタイプの戦略は「普段は少しずつ利益が増えやすい一方で、
一撃で口座を吹き飛ばすリスクが高い」ことを前提に考える必要があります。

日足チャートで見える「トレンド逆張り」のエントリー
日足(D1)チャート上にフォワードのトレード履歴をプロットすると、
白い矢印が買い、赤い矢印が売りポジションを示しています。
全体を俯瞰すると、明確な上昇トレンド局面でも売りグリッドが何層にも重なっていたり、
逆に下落トレンド局面で買いグリッドを積み上げている場面が多く見られます。
これは、開発者が言う「日足でトレンドを確認して順張りで入っている」というよりも、
日足の大きなトレンドに対して逆方向にポジションを積み増しながら
価格の戻りで一括決済を狙う、典型的な逆張りグリッド運用に近い挙動です。
トレンドが素直に続く間はポジションがどんどん積み上がるため、
評価損益とマージンに大きな負荷がかかります。
H1チャートに現れる「多層グリッド&マーチン」
時間足を1時間足(H1)に落として細かく見ていくと、
さらにロジックの性質がはっきりと見えてきます。

一つの下落局面では、最初に小さなロットで売りエントリーを行い、
価格が逆行するたびに新しい売りポジションを段階的に追加していきます。
やがて相場が反転すると、それまで積み上げてきた複数ポジションを
同一タイミングで一括クローズし、全体としてプラスになるように決済している様子が分かります。
このとき、トレード履歴のピップスと損益の変化から推測すると、
後半のポジションほどロットサイズが大きくなっていると考えられます。
Myfxbook側ではロット情報が非公開になっているため詳細は不明ですが、
ロットを増やしながらグリッドを重ねて平均建値を下げていく、
マーチンゲール的なロット管理が行われている可能性が非常に高いと言えます。
また、別の局面では買いグリッドと売りグリッドが同じ期間に重なっており、
複数のロジックが同時並行でグリッドトレードを行っているようなパターンも確認できます。
このように多層的にポジションを重ねることで利益率は高まりやすくなりますが、
同時に含み損が一方向に偏ったときのダメージも急激に増大します。
ロジックがもたらすリスクと想定すべき最悪シナリオ
ここまで見てきたように、FX Proctorの実際の挙動は
グリッド+マーチンゲールをベースとした高リスク戦略です。
トレンドがある程度の範囲で反転を繰り返しているうちは、
グリッドを積み上げてまとめて決済することで高い利益率を実現できます。
しかし、一方向に強いトレンドが継続した場合には、
ポジション数とロットが増え続け、口座全体の含み損が急拡大します。
特に、残高に対してロット設定を高くしすぎた場合、
わずか1回のトレンドで口座が一撃で破綻するリスクがあることを忘れてはいけません。
フォワードテストの結果だけを見ると非常に魅力的ですが、
その裏側では「高い利益率と引き換えに、最悪の場合は口座残高がゼロになるかもしれない」
というリスクプロファイルが存在します。運用を検討する場合は、
グリッド&マーチン特有の破綻リスクを理解したうえで、
余裕資金・低ロット・出金ルールなど、自己防衛の仕組みを組み合わせて使う必要があります。
総合評価・まとめ(2025年12月24日時点)
FX Proctor EURUSD Path1 は、フォワード成績だけを見ると非常に魅力的なEAですが、
その裏側にはグリッド&マーチンゲール特有の「一撃で口座を失うリスク」が常に存在します。
ここまでの分析を踏まえ、ポイントを整理します。
FX Proctor EURUSD Path1 の評価ポイント
- 約2年のフォワードテストで +799% という高いリターンを記録しており、
数字だけ見ればトップクラスのパフォーマンス。 - 日足ベースで運用されるためスキャル系ほど約定環境に依存せず、
一般的なブローカーでも動かしやすい。 - 一方で、実際のトレード履歴は典型的なグリッド&マーチンゲール戦略であり、
長期トレンドが続くと一気に口座を追い込む構造になっている。 - Myfxbookではロットサイズが非公開で、履歴からはロットを増やしながら
ポジションを積み上げている様子が読み取れる。 - マージングラフには何度も鋭いスパイクが見られ、
大きな含み損を抱えながらグリッドを維持していることが分かる。 - ベンダー口座はすでに残高が大きく膨らんでおり、
「たまたま生き残った口座だけが公開されている」可能性も考慮すべき。
どんな投資家向きか
- 高いリターンの代わりに、口座がゼロになる最悪シナリオも受け入れられる
ハイリスク志向のトレーダー。 - 余裕資金で、できるだけ低ロットに抑えながら、
「いつ飛んでもおかしくないEA」と割り切ってポートフォリオの一部に組み込みたい人。 - グリッド&マーチン系EAの特性とリスクを十分理解しており、
自分で出金ルールや運用ルールを決めて管理できる上級者。
慎重派が注意すべきポイント
- 安定運用向きのEAではなく、「コツコツ増えて、ある日ドカン」の典型例になり得ること。
- 小さな口座残高で同じようなリスク設定を真似すると、
ベンダー口座よりもはるかに高い確率で破綻に近づくこと。 - 過去2年のフォワードは優秀でも、今後も同じ相場環境が続く保証はなく、
フォワード実績をそのまま将来の期待値とみなすのは危険であること。
総じて、FX Proctor EURUSD Path1 は「高リターンと引き換えに、口座吹き飛びリスクを背負うEA」です。
2025年12月24日時点のフォワード実績は魅力的ですが、グリッド&マーチンゲールという性質上、
運用するかどうかは各自のリスク許容度と資金計画を踏まえて慎重に判断する必要があります。
実態はグリッド+マーチンゲールを組み合わせた高リスク戦略です。現在の最大ドローダウンは約33%に収まっていますが、一方向のトレンドが続けば一撃で口座を吹き飛ばす可能性があります。安定運用向けではなく、「口座ゼロも覚悟のハイリスクEA」と割り切る必要があります。