
EAの概要
| ロジック概要 | ブレイクアウト |
|---|---|
| マーチンゲール | なし |
| グリッド | なし |
| スキャルピング | なし |
| タイムフレーム | 15M |
| 開発者 | Profalgo Limited(Wim Schrynemakers) |
フォワードテストの分析(2025年12月16日時点)

本セクションは、現時点(2025年12月16日)で確認できるフォワード実績(MQL5シグナル統計画面)をもとに整理した内容です。
フォワード歴はまだ約12週間と浅く、長期的な優位性を断定できる段階ではありません。
現状のパフォーマンス概要
- 運用期間:12 weeks
- 成長率:18%
- 損益:+81.37 USD
- 取引回数:266(週あたり37回)
- 平均保有時間:3 hours
リスクリワード(損益の質)の見立て
- 勝率:40.22%(負け回数のほうが多い)
- Profit Factor:1.07
- 平均利益:+11.22 USD / 平均損失:-7.04 USD
- ベスト:+41.24 USD / ワースト:-32.51 USD
勝率は高くありませんが、平均利益が平均損失を上回っており、設計としては「損小利大寄り」になっています。
このタイプは、エントリー精度よりも“伸ばす局面で伸ばせるか”が重要で、上手く噛み合うとリスクリワード面の効率が良くなります。
一方で、Profit Factor が1.07と低めなため、現時点では優位性が強いとは言い切れず、今後の継続性チェックが必須です。
危険戦略(マーチンゲール/グリッド)の有無
開発者は「マーチンゲール、グリッド等の危険戦略なし」を掲げています。
実際、勝率が40%程度と低めで、平均利益>平均損失の形になっている点は、
典型的な“勝率を上げるためのナンピン・グリッド系”とは雰囲気が異なり、主張と整合的に見えます。
ただし最終判断は、バックテストや取引履歴(ロット推移・追加ポジションの有無)まで確認した上で行うのが安全です。
現時点の結論(フォワードだけでの評価)
現状は「リスクリワードの形は良いが、フォワード歴が浅く、まだ評価を確定できない」という段階です。
少なくとも数か月〜半年以上のフォワード継続、そしてバックテスト(スプレッド・スリッページ前提)との整合確認が揃って、
はじめて“買い判断に足る再現性”を評価できます。
バックテスト結果の分析(筆者検証)


本セクションは、検証のために筆者自身がMT5ストラテジーテスターで実施したバックテスト結果を、現時点(2025年12月16日時点)のレビューとして整理したものです。
なお、バックテストはあくまで「過去の特定条件下での再現」であり、将来の成績を保証するものではありません。
バックテスト条件(筆者の実施設定)
- 期間:2020年1月1日〜2025年12月28日
- 対象:SP500 / US30 / NASDAQ(USTEC) / DAX(DE40)
- 初期残高:10,000 USD
- ロットサイズ:固定 0.01 lot
- その他設定:デフォルトのまま
- スプレッド:変動
収益性の要点(リスクリワードの観点)
- 総純益(Total Net Profit):+4,464.28 USD
- プロフィットファクター(Profit Factor):1.44
- 期待値(Expected Payoff):0.85 USD
- 最大利益トレード:+42.02 USD / 最大損失トレード:-26.62 USD
- 平均利益:+6.20 USD / 平均損失:-3.53 USD
この結果から読み取れるポイントは、勝率で押し切るタイプではなく、1回あたりの損益バランス(平均利益>平均損失)で積み上げていく設計になっている点です。
固定0.01ロット・デフォルト設定という比較的素直な条件でも純益が積み上がっており、バックテスト上はリスクリワードに優れている部類に入ります。
ドローダウン評価(%ではなく絶対値で確認)
- ロット:固定 0.01 lot(本検証条件)
- エクイティドローダウン(Absolute):26.06 USD
- エクイティドローダウン(Maximal):302.79 USD
ドローダウンを残高比(%)で評価すると、残高とロット設定によって印象が大きく変わるため、本記事では絶対値を重視します。
固定0.01ロット運用の範囲では、エクイティ最大DDが約302.79USDに収まっており、収益(+4,464.28USD)とのバランスを見る限り、
バックテスト上の「損失許容に対するリターン効率」は良好です。
取引回数と安定性(負けが多くても積み上がるタイプ)
- 総取引回数(Total Trades):5,256
- 勝ちトレード:2,363 / 負けトレード:2,893
- ショート / ロング比率:おおむね半々
取引回数が多く、勝ちより負けのほうが多い構成でも、総純益がプラスで終わっている点は、
「損小利大寄り(または損失を小さく抑えつつ伸ばす局面で伸ばす)」タイプの特徴と整合的です。
マーチンゲールやグリッドのように“負けを取り返すためにロットを増やして帳尻を合わせる”危険戦略に依存していない可能性が高い、という見立てにつながります
(最終的な断定は取引履歴のロット推移・同時建て・平均保有の癖まで確認して判断します)。
現時点の結論(バックテストは良いが、慎重に)
バックテストは収益率・リスクリワードともに良好で、戦略の素地は十分に感じられます。
ただし、今回の検証は2020年以降の期間に限定されており、市場環境の変化(ボラティリティ、指数の急変動、スプレッド拡大、約定品質)によって結果は変わり得ます。
したがって、バックテストだけで結論を急がず、今後のフォワードテスト(実運用)で同様の特性が継続するかを観察しながら評価を更新していく方針が妥当です。
トレーディングロジックとリスク特性
本セクションでは、開発者の説明(=開発者が主張している内容)を整理しつつ、
筆者が確認できたフォワードの取引履歴チャート(白=Buy、赤=Sell)から読み取れるリスク特性も合わせてまとめます。


ロジック概要(開発者の説明を要約)
The ORB Masterは、株価指数(SP500 / US30 / NASDAQ / DAX)を対象にした
「オープニングレンジ・ブレイクアウト(ORB)」系のEAです。
米国・欧州市場のオープン直後に形成される値幅(レンジ)を基準に、上抜け・下抜けの勢いを取りに行く設計とされています。
また、指数ごとに複数の戦略バリエーションを持ち、ポートフォリオとして分散させる思想(“相関を下げる”主張)も特徴です。
エントリーと決済の考え方
ORBは「方向が出たときに伸びる」一方で、ダマシ(ブレイク失敗)も起きやすい手法です。
そのため本EAは、勝率よりも損益バランスを重視した“損小利大”寄りの組み立てになりやすく、
うまく噛み合う局面ではリスクリワードが優れた形になりやすいのが強みです。
リスク管理の特徴(危険戦略なし/安全装置が多い)
- グリッドやマーチンゲールのような危険戦略は採用しない、という方針(開発者主張)
- スプレッドが不利な状況を避けるための制限(例:最大スプレッド条件)
- 日次ドローダウン到達時に取引を止める・全決済する等、プロップ口座を意識した設計要素(開発者主張)
- 重要指標時の回避フィルタ(NFP・CPI・金利などを想定、開発者主張)
- エントリー/決済のタイミングにランダム性を入れて“横並び取引”を避ける考え方(開発者主張)
総じて「無理に勝率を作る」のではなく、取引環境(スプレッド・ニュース・急変)に対する安全装置を厚くして、
想定外の大崩れを避けようとする思想が見えます。この安定志向のトレーディングロジックは高く評価できます。
取引履歴チャートから見える傾向(白=Buy、赤=Sell)
添付のフォワード取引履歴チャートでは、白矢印が買い、赤矢印が売りを示しています。
ORB系は「勝ちを大きく、負けを小さく」で収益を作るケースが多く、チャート上でも
トレンド方向に乗れた場面はまとまった値幅を狙い、逆行時は比較的早めに手仕舞う(または損失を限定する)動きになりやすい点が特徴です。
注意点(指数×オープン直後=約定環境の影響が大きい)
ORBは市場オープン直後のボラティリティとスプレッド拡大の影響を強く受けます。
そのため、バックテストが良くても実運用(フォワード)で同じ形にならないことがあります。
特に指数CFDはブローカーごとに「シンボル名・取引時間・スプレッド・約定品質」が異なるため、
導入時はシンボル設定や稼働条件(時間帯・スプレッド制限・ニュース回避)が噛み合っているかを必ず確認してください。
総合評価・まとめ
本記事は、現時点(2025年12月16日時点)で確認できるフォワード実績・筆者バックテスト結果・開発者説明をもとに整理したレビューです。
フォワード歴が浅いため結論を断定せず、「現状の強み」と「今後の観察ポイント」を明確にして評価します。
良い点(評価できるポイント)
- リスクリワードが良い:勝率で押し切るタイプではなく、損小利大寄りで利益を積み上げる設計が見える。
- 危険戦略(グリッド/マーチン)に依存しない方針:開発者はグリッド・マーチンなしを明言。実績の形もそれと整合しやすい。
- トレーディングロジックが安定志向:スプレッド制限、ニュース回避、日次DD停止など“守り”の仕組みを厚めに設計している(開発者説明)。
- 分散運用の思想:複数指数・複数戦略で相関を下げる設計思想は合理的。
注意点(弱点・リスク)
- フォワード歴が短い:現時点では「まだ評価を確定できない」。継続性・相場変化耐性の検証が不足。
- ORBは約定環境の影響が大きい:市場オープン直後はスプレッド拡大・滑りが起きやすく、ブローカー差で成績が変わりやすい。
- 導入がやや独特:指定チャート/時間足やシンボル設定、セットファイルの適用など、初期設定でつまずく可能性がある。
現時点の結論
- バックテスト・フォワードともに「損小利大でリスクリワードが良い形」は確認でき、ロジックの方向性は高評価。
- ただしフォワード期間が短く、現段階では“優位性を断定するフェーズではない”。
- 今後は、フォワードの継続(少なくとも数か月〜半年以上)と、DDの出方・約定品質の影響を観察しながら評価を更新するのが妥当。
おすすめできる人 / できない人
- おすすめ:指数ORBの特性(オープン直後の滑り・スプレッド)を理解し、低ロットから検証しながら運用できる人。
- 非推奨:短期のフォワードだけで断定し、いきなり大きなロットで回したい人。
開発者はグリッド/マーチンなしを明言。筆者バックテストでも損小利大の形で、エクイティDD(最大)約302.79USDに収まりました。ORB特性上、オープン直後の滑り・スプレッド拡大には注意が必要です。